【短編小説】 口癖 〜目的地〜
暑い。暑すぎる。
まだ5月の下旬だというのにこの暑さは尋常じゃない。
外を歩いているだけで汗が額を流れる。
眩しい太陽の光に目を伏せつつ、学校へと向かう。
「はぁ、やっと着いた。」
校内に入ると、涼しいエアコンの風が私を震わせる。
伝言を確認し、教室へ向かう。
『ガラガラガラ』
教室はエアコンをつけていないからか暑苦しい。
既に来た生徒も暑そうに座っている。
「あ、おはよー」
「おはよ。」
そう挨拶を返し、席に座る。
荷物を下ろし、教科書と文房具を机に置く。
1リットルほどの飲み物が入る水筒。
我ながら大きくて笑ってしまう。
冷たいお茶を喉に通し、一息つく。
『ガラガラガラ』
そんなことをしているうちに、先生が来たようだ。