【短編小説】口癖 〜目覚めの朝〜
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はぁ。
今日も向かいの部屋のアラームで起きる。
せっかくの休日だというのに。
その上なかなかアラームを止めず寝ているのが余計腹が立つ。
外からは鳥の声が聞こえ、朝を知らせる。
誰かが階段を駆け登る音がする。恐らく父親だろう。
洗面所からはドライヤーの音。
頭に感じる痛み。
「あーあ、また気圧か。」
不快な痛みに顔を歪めつつ起き上がる。
腰の辺りまで捲れ上がったパジャマのワンピースを直しつつ、スリッパを履く。
今日は意外と寒いな、っと思っているとまた向かいの部屋のからアラームがする。
それにより頭が一層痛くなる。
「ゆい、めざましテレビで椎名林檎が出てるよ。」
「あぁ、うん。」
椎名林檎は好きだが、今は見る余裕が無い。
軽くストレッチをした後、スマホと充電器を持ちリビングへと向かう。
リビングのドアを開けると、愛猫達がこちらを見て鳴く。
ご飯をくれ、とでも言っているのだろう。